クールビズではジャケットを着ない場合が多くなりますから、軽くなった上半身とバランスをとるために、通常のビジネススタイルに比べて細身のパンツを選ぶのが正解です。プリーツかノープリーツで、ストレートかテーパード(裾に向かつて細くなっている形)のパンツがお薦めです。また、腰周りはとても目立ちます。サイズが大きいとベルトで締めた部分の余りが出てしまいますし、小さいと横のポケットやタックが不自然に開いてしまいます。シャツ同様、ジャストサイズを心がけてください。素材はTPOに合わせて選びましょう。よりフォーマルな場面ではウールを、カジュアルな場面ではコットンや麻などの素材を選べばふさわしい着こなしになります。ただ、クールビズとはいっても「ビズ=ビジネス」なのですから、カジュアルになりすぎてはいけません。コットンパンツをはく場合でも、グリースをピシッとつければビジネスの雰囲気になります。これはぜひとも実践していただきたいポイントです。
寒い日のぴったりしたパンツ。色で遊びたいときはマフラーや手袋が便利だ。パリの女性のお得意スタイルである。『満月の夜』では、やはりぴったりのスウェットパンツ姿にマフラーやソックスの色で遊んでいた。『読書する女』も鮮やかな色が印象的だった。シックで少しひねった色が好きなので、鮮やかで美しい印象の色を求めるときは勇気がいる。しかしその勇気を出して買った一枚がどんなに役立っていることか。経験からいくと、はっきりとして鮮やかというプリントのスカーフ、これはどうも使えなくてクローゼットの引き出しに入ったまま。白と黒にきれいな赤というティファニーのスカーフなのだけど、私の持っている服とはどうも合わない。無地で素材のいいもの、鮮やかだけじゃなくて、味のあるいい色をポイントにしたい。ロンドンで見たぴったりパンツの女性たち、立体的な身体つきだからとても良く似合っている。セクシーになり過ぎてしまうのが欠点といえば欠点かな(?)。身体の線を誇るように見えるおしゃれはどうも、というのもやっかみかもしれない。ぴったりしたパンツはたっぷりした上物で隠して、足元もカジュアルにして姿勢正しく元気に歩く。私もホームウェアにして隠れて着ているぴったりパンツだけど、シェープアップと若々しい着こなしで、外出着にしてみたいものだ。
生々しさを隠すことで、露骨な男性性をカムフラージュすることがエレガンスの精神にかなってきたのであろうとも推測できる。それにしても、過剰である。十六世紀のラフ(ひだ襟)といい、十七世紀の滝のようなレース飾りを留めるボウタイやクラヴィットといい、十八世紀のぐるぐる巻き巨大クラヴァットといい、十九世紀の顎まで高く巻上げられた糊付けストックといい、首回りは常に窮屈に、必要以上に過剰に飾られてきた。ラウンジ・スーツの誕生とともにシャツの襟が折り返されて着用されるようになり、一八六〇年ごろ「フォア・インーハンド」という、いわゆる結び下げ型の、現代版ネクタイの直接の祖先が登場するのだが、当時としてはこれでも少しは首回りがラクになったのだ。「フォアーインーハンド」とは御者ひとりで引く四頭立て馬車のこと。御者がスカーフを風に飛ばされないようにしっかり結んで使っていたのがそもそもの起源らしい。一八八六年には「エディンバラ公クラヴァット」という今のネクタイに似た形のものがあらわれて、カラフルに普及していくことになる。